フロリダを旅する男が怒られた。お風呂りだけは入りなさい、と。

次の現場の稽古も始まっているけど、前の現場で言っていた駄洒落についてまだ書きます。


結果的に公演中、一人駄洒落大喜利を楽しむこととなったのだが、
かといって、自分勝手に遊びまくっていた訳では、勿論ない。
そもそも、『MILANDA』は南米の島が舞台で、内容的にもちょっとファンタジーでエキゾチックな雰囲気があり、明確な世界観がある。そこに駄洒落という、日本的な言葉遊びをブチ込む訳で。(元々の台本にも駄洒落が結構あるから、そこはそんな深く考えなくても良いかもだけど)下手なことをすると一気に世界観を壊してしまう可能性もあった。つまり、ふとんがふっとんだ、みたいな安直な駄洒落だと世界観を壊しかねなかった。日本的な情景過ぎて。

そこで、駄洒落に使うワードは世界観を壊さないものにするよう気をつけた。

元々あった台詞が、その時計どうした?オランダ!なんてな。だったので、国名縛りにしようかと思ったけど、結構難しかったので、カタカナ語であればオッケーということにした。

 

また、アドリブとは言え、始まりと終わりが分からないと元の台本の流れに戻れず相手役の人が困惑するので、駄洒落シーンの枕と下げを同じにした。

イアンさんに話しかけるシーンなので、イアンさん、面白い話があるんです、と始めて駄洒落をかまし何てな、と締める。

このことに関して特に打ち合わせはしなかったが、流石、ロックさん演じるイアンさんは分かって次のリアクションに繋げてくれていた。

 

・駄洒落で使うワードは世界観を壊さないようにカタカナ語にする

・イアンさんに上手く芝居を渡せるように話の始まりと終わりを明確にする

 

このルールを自分で設け、その上で駄洒落を考えていた訳で、決してふざけて駄洒落で遊んでばかりいた訳ではないのだ。こうした厳格なルールに基づいた努力が認められた(?)ために、演出から正式にもう一つ駄洒落のシーンを増やそう、と言って貰えたのだ。

 

そうして増えたシーンが、海岸で佇むアリスにエッブさんが駄洒落をぶちかますという所。

死人が生き返るのを目撃して動揺しているアリスを和ませるために、アリスの故郷の駄洒落を言う。エッブさんの駄洒落好きと、優しい性格が表れる素敵なシーンと相成った。

 

真面目に駄洒落を考えた結果です。