ピラニアを飼っていることはおおっぴらにあ言えない
約二週間前に終演したNe’yanka『MILANDA』。
その劇中で僕はエッブさんというおじいさんの役をやった。
そしてエッブさんが駄洒落をかますシーンが計3シーンあった。
元々の台本だと1シーンだけだったのが、
稽古場で僕がプランとして提示したのが採用されて一つ増え、
劇場に入ってからここにも一つ入れて下さいと演出から指示が入りもう一つ増えた。
稽古場で僕が提示して増えたところは、
エッブさんがイアンさんと喋りながら入ってくる所だった。
台本だと普通に会話しているだけなのだが、演出から何か2人でしながら入って来て欲しいという要望があり、
駄洒落を一発かますだけだと急過ぎてウケないだろうし、キャラの特徴としても弱い気がしていて、もう一発ぐらいかます余地を探していた僕は、そこで言うというプランを提示したのだった。
めでたく(?)そのプランは採用されたので、そこで駄洒落を言うことになった。
んで、稽古から本番まで、そのシーンをやる時、毎回言う駄洒落を変えた。
唯一稽古と本番、二回言ったのは、ピラニアを飼っている事は大っぴらにあ言えない、というやつだけだ。
ピラニア以外は毎回全部変えて言っていた。
はっきり言って、毎回変える必要は全く無かった。
めちゃくちゃ笑いが必要なお芝居でもなかったし、そもそも駄洒落って大爆笑が取れるモンでもないし、毎回変えるとなると噛む危険性が高まるし、ネタを間違えたら世界観を壊したりする可能性もあるし、リスクばっかりだ。
まぁでも、作品の中に一つ、ナニがくるかわからない台詞があると、作品の鮮度が保てるかなって。
本来、役者は作品の台詞は全部知っている状態で演技するから、しかもそれを連日やり続けていると、慣れとか飽きとかがきたりもするので、それを防ぐためにも変えた方が良いんじゃないかって。
そんな言い訳を抱えつつ、駄洒落大喜利を一人で楽しんでいたこの前の公演だった。